刺さる言葉

車屋の兄さんが窓に張り付いてたのを見て思い出したのは

昔のご近所の老婦人

張り付きの当時

近所で仲間外れにされてて

次次妹とか従姉妹とか大人の噂話に入ってくのが好きでしたが

私は興味なかったので

詳細は分からず

後にちょこっと耳に入って来たのは

自分の意見をキッチリ言う人だったらしい

そういうの嫌がる人もいて

子供の頃よく遊んでもらいましたが

地蔵盆のお菓子のお下がりも

自分の孫にばかり配りたいお婆連を遮って

私たち普通にしてたらもらえない子供にも配ってくれたという

お前らあの人が居らんかったらお菓子はなかったで

と、お母さま談

その人が近所で無視されてるころ

お父の車に乗ってる私を見つけては

めがけて窓に張り付いてました

畑行くんか？

学校は終わったんか？

えらいな

お父にもちょっと言うて離れて行きます

それから何年か後のお父の葬式でお会いした時

お前らはええ子やよ

言うて凄く悲しそうで

娘さんを亡くしたばかりとかで

親よりはよ死んだらアカンで

言うてはりました

それが心に刺さって

ミカンのオジサンよりははよ死ねん

思てます

え？

私が死ぬと

父母の次に卒倒するのはミカンのオジサンだと思ってるので

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